日本は近年、セルフレジの普及が進んでいます。2021年スーパーマーケット年次統計調査では、スーパーマーケットでのセルフレジ設置率は23.5%、セミセルフレジ設置率は72.2%と、毎年その数値を伸ばしています。(出典:2021年スーパーマーケット年次統計調査)
一方、海外でもセルフレジは普及しています。アメリカでは実に9割以上の人が使用したことがあるというデータもあります。また、アメリカ、中国ではセルフレジや自動釣銭機を使用した無人店舗の設置なども進んでいます。
様々な形で導入が進められているセルフレジですが、その導入コストはどれくらいかかるものなのでしょうか。下記にまとめてみました。
商品のバーコードスキャンから代金の精算まで、すべてのレジの工程を利用客が行うのがフルセルフレジです。利便性が高く、人員不足の解消を目的とする店舗におすすめです。
<費用>
フルセルフレジの相場は約200〜300万円といわれています。フルセルフレジは、登録機と精算機が一つになっているため、セミセルフレジに比べると価格も安くなるのが特徴です。
セミセルフレジでは、商品のバーコードスキャンは店舗スタッフ、代金の精算を利用客が行います。商品のバーコードスキャンは手慣れたスタッフが行うので、レジの待ち時間を短縮することができます。レジの回転率を重視したい店舗におすすめです。
<費用>
登録機(バーコード読み取り機)で約100〜150万円、精算機は約200〜300万円が相場の価格となっています。登録機と精算機が別になってしまうので、フルセルフレジよりも割高の印象を受けます。
セルフレジを導入してみたいけど、高額なコストをかけるのは不安だと感じる方は、レンタルやリースという手段もありますので、そちらも調べてみるとよいでしょう。
セルフレジは現在、国内の様々な業界・業種で使われています。ここでは各業種の導入事例を一部紹介いたします。
セブンイレブンでは、2020年9月からセミセルフレジを順次導入し、現在全国の店舗の約9割に導入が完了しています。今後、2025年までに全国の店舗にセルフレジの導入を進めていくそうです。
また、ローソンではセルフレジとしても使用できるレジを全国導入し、約5割の店舗がセルフレジとして使用しています。
ファミリーマートではセルフ専用レジを全体の約4割の店舗に導入しています。
今後ますますレジのセルフ化が進みそうです。
出典:読売新聞オンライン|【独自】セブン―イレブン、セルフレジを25年までに全国展開…人手不足や「非接触販売」に対応
近年、市役所・区役所・地方自治体でセルフレジの導入が進んでいます。
三鷹市役所市民課総合窓口では、都内の役所では初となる「キャッシュレス決済」と「セミセルフレジ」を同時導入し、話題になりました。
市役所では、各種証明書を発行する際の手数料の支払いを非接触で行えるようになりました。年間約6万6千件の証明書等発行に伴う、同じ回数の金銭授受が0になったことを考えると、利用客の滞在時間をぐっと減らすことができ、業務効率が上がっていると考えられます。
また、滞在時間を減らすことや、接触機会を減らすことは、感染症対策にもつながり、時代のニーズにもあっているのではないでしょうか。
三鷹市役所の導入事例はこちらもご覧ください。
「1人につき1分の時間短縮が、積もり積もって大きな違いに」都内初!「キャッシュレス決済」と「セミセルフレジ」を同時導入
ユニクロが導入した、買い物かごを置くだけで商品スキャンができるセルフレジは、登場当時衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。このセルフレジのシステムはRFIDのICタグを読み取る方法で、ひとつひとつの商品をバーコードスキャンしなくても、購入点数や支払総計が瞬時にわかる、といったもの。
商品かごをレジ台に置いて、設置されたタブレットの通りにお会計を行えばいいので、シンプルで分かりやすく、お会計もスムーズです。
セルフレジ導入後、顧客満足度を下げる一因である「レジ待ち行列」を解消することができました。
ファミリーレストランでもセルフレジが導入されています。
タブレット端末での注文、会計時はフルセルフレジで、店舗スタッフとの接触が最小限になっているのが、ハンバーグレストランのびっくりドンキーです。自動釣銭機付きフルセルフレジなので、店舗スタッフがお金に触れることがありません。衛生面でも安心感があります。
また、ネットカフェの快活CLUBでは、セルフレジを使って入退店を利用客が行えるようになりました。その他にも雑貨購入や新規入会、席移動なども可能だそうです。
セルフレジは決済端末とセットで使用できるようになります。単体では使えないのでご注意ください。
セルフレジと決済端末を一緒に利用するには連動開発を行わないといけません。連動開発にかかる費用や時間を削減するためにも、導入するセルフレジと連動開発が完了している決済端末を選ぶことをおすすめします。
どこまでの決済ブランドに対応するかによって、決済端末の組み合わせや導入にかかる期間が変わってきます。
決済端末によって対応している決済ブランドが異なるため、利用したい決済ブランドに対応した決済端末を選ぶことも重要です。なるべく多くの決済ブランドに対応させたいのであれば、1台でクレジット、電子マネー、コード決済に対応できるマルチ決済端末を選ぶほうがよいでしょう。導入する決済ブランドと合わせて、導入にかかる時間も確認することで円滑にセルフレジを導入することができます。
セルフレジ導入の際には、大きなお金が動きます。検討している方は、ぜひ同業種の導入事例などを参考にしてみてはいかがでしょうか。
迷った際は、ぜひセルフレジのベンダーにご相談ください。
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